mooviee blog

見た映画の感想をさかのぼって書いています。

BLADE RUNNER (1982)

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BLADE RUNNER (1982)

Director:Ridley Scott

 

1982年に公開された、フィリップ・K・ディックSF小説

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を実写化したSF映画です。

公開当時はあまり興行的には成功したとはいえないような評価だったらしく、

私も長い間、「あまり面白くない」という他人の評判をうのみにして

これまで見てきませんでした。

続編の『BLADE RUNNER 2049』が、

まさか作られるとは思っておらず(見てないのに)、

続編が出る(しかも結構なキャスト&ハリソンフォードも続投)となると、

なんだやっぱりいい映画だったんじゃないか、と思えるようになり、

その続編見たさに、1作目をやっと、やっと先日見ました。

今まで見なかったことが残念すぎる!というくらい、

とてもおもしろかったです。

やはり他の人の評価なんて聞くもんじゃないですね。。

 

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生命の儚さ

レプリカントであるロイ(Rutger Hauer)の、最後のシーンが

なんとも切なくて美しいです。

"I've seen things you people wouldn't believe.

Attack ships on fire off the shoulder of Orion.

I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhauser Gate.

All those moments will be lost,

in time,

like tears,

in the rain.

Time to die..."

「お前ら人間には信じられぬものを俺は見てきた。

オリオン座の近くで燃えた宇宙船や

タンホイザー・ゲートのオーロラ。

そういう思い出もやがて消える。

時が来れば、

涙のように、

雨のように。

その時が来た…。」

 

皮肉にも、とても人間らしい言葉ですよね。

レプリカントであるはずの彼から出る言葉です。

彼が手にしている白い鳩も、きっと何かの象徴ですよね。

この映画でずっと降っている雨が酸性雨だということを

私は後から知るのですが、

このシーンでは、とても美しく、彼を包み込んでいます。

「雨のように…」という言葉が出てきて初めて、

あ、この映画のこの雨は何か意味があったんだな、とそこで感じました。

 

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ファッション

近未来の設定ですが、

この何ともいえない退廃的な街並みがとても独特です。

ゆえに公開当時は賛否両論だったようですが、

この映画公開以降のSF作品に似たような感じの世界観がたくさん

見られるようになったことを考えると、

とても斬新で影響力もあったんだなというのが分かります。

変な日本語もたくさん出てきますね。

でもよく海外映画で見られる勘違いジャパニーズという感じはなく、

この混沌とした世界観にすごくマッチした、デザインされている感があります。

音楽も、80年代っぽいシンセサイザーがたくさん聴けて面白いです。

と、見どころ満載ですが、

私がパッと見て、あれ?っと気になったのは、女性たちのファッション。

2017、2018年のCHANELみたいだなと思いました。

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BLADE RUNNER

 

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CHANEL 2018SS

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CHANEL 2017FW

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CHANEL 2017FW

 

ビッグシルエットや素材なども、よく似ているな、と。

映画の舞台が2019年つまり来年なので、

とてもリンクしているように思えます。

 

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ラスト

1作目の公開が1982年なのに、続編は2017年公開。

実に35年も間があいたのになぜ続編が作られたのか。

確かに、こんな終わり方だったら、

誰でも続きが見たるなるぞ!、そりゃー続編が出るに決まってる!

と分かりました。

当時これを見て続きが気になった人は、相当やきもきしたことでしょうね。

35年ぶりの続編と聞いて歓喜したんじゃないでしょうか。

とにかく続きが気になってしょうがない。

 

そして今ちょうど手元に、続編の『ブレード・ランナー2049』があります。

これから見てみようと思います。

1作目の退廃的でダークで切ない世界観、デザインは

そのまま踏襲されているのかが気になるところ…。